どこか生きづらい少女たちの日常・・・ 真面目なバナナちゃんの日記

発達障害の観点からの自己考察③ ~二次障害(うつ、対人恐怖)につながる過剰適応について~

赤峰もも(真面目なバナナちゃんの日記)、しゃべれない
私は一人で生きていくから...
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とある日、仕事中のシルルから来たライン...

SHIRURU

頭が痛くて
身体に力が入らない

MINO

え?!それは大変じゃない
とりあえず仕事は早退しなよ

SHIRURU

いや
こんなのはただの甘えだよ

MINO

甘えで体調悪くならないよ(汗)
無理しすぎているからだよ

SHIRURU

いや
これ以上、周りに迷惑をかけれないから

SHIRURU

皆さんのために働かないと
大丈夫だよ

MINO

...
(ぜんぜん大丈夫じゃなさそうだけど)

...そして、翌日にダウン...

SHIRURU

私って我が儘すぎる
みんなが当たり前にやっていることができない(涙)

...心にダメージを受けたまま、数日動けなくなるのでした...

皆さま、こんにちは、ミノです。
今回は「発達障害シリーズ」第三弾。

◇過去の記事はこちら(⇓リンク)
発達障害の観点からの自己考察① ~症状と困りごとの原因に気付くまで~
発達障害の観点からの自己考察② ~自閉症(アスペルガー)検査などの結果から考える~

今回は、発達障害の二次障害と言われている「うつ病」「対人恐怖症」につながる症状、「過剰適応」について私(ミノ)とシルルの経験をもとに考えてみたいと思います。

先ほどのシルルと私のやりとりは、シルルの過剰適応を表すものとして冒頭にもってきました。
流れで言うと
・過剰適応状態=体調不良でとてもしんどい⇒自分のことより、周りに迷惑をかけてはいけない⇒過度に無理して働く
・適応状態=体調不良でとてもしんどい⇒周りには申し訳ないけど、自分の身体を優先しよう⇒休みをもらう
ということです。

では、過剰適応について詳しくみていきましょう。

MINO

つまり
過剰適応とは

周囲の人や、社会に対して、過剰に適応した状態。
自分の欲求や感情よりも、周囲の期待を優先する。
その結果、ストレスをためて他の精神疾患(うつ病、対人恐怖症)につながったりする。

周りからは俗にいう真面目、いい子と言われる人に多い。
シルル、ミノともにこの傾向があります。

では、なぜ発達障害が過剰適応を引き起こすのでしょうか。

MINO

発達障害との関係

私を例に挙げると、ASD(発達障害のなかの自閉症スペクトラム)の特徴である
・コミュニケーションが苦手
・周りにうまく合わせられない
というのを持っています。

私は、それを十分に自覚できています。
なぜって、人から浮いてしまったり、意味不明な人と見られたり、そして実際に注意されたりすることがいっぱいあるので。

なので、何とか周りに合わせよう、変な言動をしないように、普通に振舞わないとと、とっても努力はしているんです。
多分、人一倍、普通の人として認められようと努力してきたと思っています。

ただ、その行動が行き過ぎていて
・周りの期待に応えようと、雑用をどんどん引き受ける
・頼まれたら断らない
・自分の意見より、相手の意見で行動する
・相手が望んでいるであろうキャラを演じようとする
などなどがあります。

改めて書き出してみると、自分の意志はなく、全て相手に合わせようとしている状態ですね。
周りからの評価は「真面目」「やさしい」というプラスの表現から、その裏返しである「冗談が通じない」「便利なヤツ」というものまでありました。

でも、それが、生きていく上で必要なことだと信じて疑わなかったです。

MINO

努力はしても
人並みにはほど遠い状態ですが...

でも、人一倍努力はしても、発達障害はもともと対人関係能力に問題があるので、人並みにはなりません(定型のようにはなりません)。

さてその行動を繰り返した結果、どうなっていくのかというと
・自分が分からなくなる
・自分はダメな人間だという思いに囚われ続ける
・自分は相手より価値のない人間だという確信を深める
という具合に、自己否定感、自己無価値観がどんどんと育っていきました

それでもというか、だからこそというか、もっともっと相手に気に入られるように頑張らないとという感情に支配されていきます。
そうすると
・「いやだ」「しんどい」とは言わない
・つらくても笑っている
・傷つくことを言われても、気にしないふりをする
と...
「こんなことで、不満を言っていたらダメだ」「自分がダメだから仕方ない」と自分に異常に厳しくなっていきました
もっとも自分に厳しい人の一人が、自分自身でした。

もう、一人では抜け出せない、負のループですね。
たどり着けるゴールなどないし、違う選択肢などは見えません。

完全な過剰適応の出来上がりです。
というか、学生時代も含めて、長らく過剰適応の状態で半分以上の人生を送ってきたのではないかと思っています。
自分自身の人生を歩んできたという気が、まったくしません。
周りに認められるために全力を尽くしてきた人生です。

MINO

そして...

MINO

過剰適応の二次障害について

そんな、自分をごまかし続けた無理はいつまでも保てません。

どんどんと心身の不調が表面化していき、人生で初めて心療内科のお世話になることとなってしまいました。
無気力、人が怖い、希死観念でふらふらの状態で心療内科にたどり着いたので、先生からは
「もっと、早く来るべきだよ」
と言われました。

最初の診断結果は、「うつ病」「社交不安障害」です...
のちのち「発達障害」のグレーゾーンの診断を受けて、発達障害からくる過剰適応が「うつ病」「社交不安障害」を引き起こしたのだろうということになりました。

発達障害⇒過剰適応⇒うつ病、社交不安障害という流れですね。
根っこは発達障害であると。

このパターンは結構あるようです。
他の精神疾患で受診したが、発達障害がその根本原因であるというパターンですね。

MINO

その後の
発達障害との付き合い方

死ぬことを夢見るぐらいの状態を体験して、治療のなかでそこから立ち直るにつれて、人生観が少しづつ変わりました。

・周りの人からどう思われてもいい
・適当でよい
というように、自分に言い聞かせられるようになりました。

おそらく、病気になる前だったら理屈では分かっていても、決して受け入れられなかった考え方だと思います。
いまでは、すんなりとはいかないですが、受け入れることができています。
毎日、死ぬことを考え続けた経験を思い出し、自分の人生を後悔する気持ちが強くなったため、受け入れられるようになったのかなと思います。

できないことはできない、自分はこういう人間だ、というのを自然に口に出せるようになっています。
不思議なもので、そういうことを言い出した自分を奇異な目で見る人は少ないです。
周囲は、あるときから私の言動が変わっても、多少の違和感はあったかもしれませんが、すぐに慣れて当たり前になったように感じています。
これも良く言われることですが、周りは相手のことなどそんなに気にしていないということですね。
とくに興味の無い他人が、変わったとしても気付かないと。

過剰適応で苦しんでいる皆さまは多いのではないかと思います。
真面目な人、いい人、周囲から見ればいつも何も気にしてないように笑っている人、そういう人こそ苦しんでいる可能性があります。

MINO

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そんな人かもしれませんね

MINO

二次障害で苦しむ前に

では過剰適応を自覚したら、どうすれば良いのでしょうか?

私は、どん底まで落ちて、死を身近に感じながら、ようやく自分を変えないとということに気付きました。
気付いたというか、行動しようと思えたという表現が正しいですね。
以前から気付いてはいても、行動する勇気がなかったですから。
そうこうしているうちに、二次障害が発症してしまいます。

そんな私からのおススメとしては
・心療内科にお世話になる
・信頼できる人の力を借りる(そういう人がいれば)
などが現実的でしょうか。

私の経験上、一人では、自分を知り、変わる勇気を持つのはとても難しいです
誰かの助けが必要です。
それは家族や友人なら誰でもいいわけではなく、発達障害の特性を理解して一緒に考えてくれる人です。
でないと、発達障害の人にとって非現実的なアドバイスをされて、余計に迷子になったり苦しんだりする可能性がありますから(定型の人には適切なアドバイスでしょうが)。

過剰適応で苦しんでいる人は、まずは心療内科に相談してみるというのが良いかと思います。
まずは、その一歩から。
いま苦しいと感じているなら、まだ早すぎるということはありません。
何かを変えてみましょう。

MINO

ワタシも相談できる人がいたら
人生が変わったいたのかな...

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