著者:細川貂々(てんてん)先生
著者:水島広子先生
ミノの読書感想文です
以前に同著者の本、「それでいい。:自分を認めてラクになる対人関係入門(←記事リンク)」の紹介をしました。
水島広子先生と細川貂々先生の合作はいくつか出ているのですが、そのシリーズの一冊です。
シリーズそれぞれで扱っている内容は異なるので、どの本から読み始めても大丈夫かと思います。
ちなみに各シリーズの内容を簡単に...
◇「それでいい。:自分を認めてラクになる対人関係入門」
心理療法の一つで対人関係療法についての考え方(読了)
◇「やっぱり、それでいい。: 人の話を聞くストレスが自分の癒しに変わる方法」
アティテューディナルヒーリングというコミュニケーション方法について(読了)
◇「夫婦・パートナー関係も それでいい。」
夫婦、パートナー関係における対人関係療法の活用(未読)
今回の
「空気が読めなくても それでいい」
は...
一言で言うと発達障害について書かれたもの。
細川先生の軽い画風で、難しくなりがちな話を分かりやすく書いておられます。
「発達障害って何?」っていうのを、簡単に知りたい方にとってはとっつきやすいのではないでしょうか。
良い意味でサラッと読めて、入門書としておススメです。
ただ、取り扱っているのが「発達障害グレーソーン」の話なので、重度の発達障害で苦しんでいる方にとっては物足りない内容かと思いますのでご注意ください。
こんな方におススメ
・発達障害について簡単に知りたい方
・発達障害グレーゾーンの自覚がある方
というような、発達障害の自覚のある方はもちろん
・社会人で「空気が読めない原因って何?」と悩まれている方
・周りに溶け込めない方
・「自分って、何か人と違うよな」と感じられている方
というような方にも、自分を知るヒントがあるかもしれません。
この本では
「非定型」=発達障害、グレーゾーン、世の中の少数派
「定型」=いわゆる普通の人、世の中の多数派
という両者の比較で、非定型の生きづらさが描かれています。
全体が3章構成になってます
流れをジュニアより
①序盤(第1章)
まずは序盤の内容から。
非定型(発達障害傾向)の人が、なぜ生きづらさを感じるのかが大枠で説明されています。
多数派(定型)のなかに少数派(非定型)がいるという表現は、発達障害の生きづらさを表す表現として分かりやすいです。
多数派をネコ、少数派をイヌに例えて説明するくだりがあり、「ネコ(定型)が多数派を占める社会だと、少数派のイヌ(非定型)は生きづらいよね」「ネコ(定型)から見れば、イヌ(非定型)は意味が分からないやつだ」というような表現です。
「イヌばかりの社会が生きやすいのか」と考えてしまうと、「?」が浮かびますが...
大勢の人とは違っていることが生きづらさのベースだよねという例えという理解で。
「周りから浮いてしまう原因はそこにあるんじゃないの」ということですね。
②中盤(第2章)
中盤からは、「非定型(発達障害)あるある」を挙げていきながら、それに対する対応方法などのアドバイスが細川先生と水島先生のやりとりで述べられていきます。
発達障害の、他の本でも書かれているような内容ですが、幅広く取り上げています。
マンガで描かれていること、それと、一つの情報量を簡潔にまとめていることで、私としては記憶に残りやすかったです。
生きづらさに悩んでいる方は、自分に当てはまるというものがあるのではないでしょうか。
まずは自分を知るというのは、苦しみから抜け出すための最初の一歩ですからね。
③終盤(第3章)
そして後半は、周りの人間が非定型の人にどうのように接するとよいかや、社会生活上の工夫という流れになっています。
書かれているアドバイスは、実生活に落とし込もうと思うと、なかなか大変かなとは思います。
私は「書かれていることを間違いなくこなさなければ」と思ってしまい、行動する前に疲れてしまいます。
本書にも非定型の特性として挙げられていますが、「ほどほどに」「適当に」というさじ加減が苦手で、「ほどほどに」と言われると動かなさすぎて怒られることが多々あったので...私の場合は単なるなまけものとは思っていますが...
一つでもいいので、気になっている部分、自分ができそうな部分から取り組んでいけばよいかなと思っています。
というか、私の場合にはそれが限界です。
一歩づつですね。
また、「周りの人に聞いて」や「周囲の人に理解を求めて」という表現が出てきますが、これまた私は苦手なことですね...
私の場合は、自分を知ってもらうということを第一ステップに、今は自己開示につとめています。
その結果、周りが理解するかどうかは気にしないようにしようと...
それもメンタルが病んで、徹底的に落ち込んでから、ようやく動き始めたことですが...
細川先生のように周囲に理解者がいる状況は、すごく羨ましいです。
今までの努力と活動のたまものですね。
とはいえ、今のしんどさを乗り越えるためには努力と変化が必要なことは確かです。
環境を変えるというのは難しいし、環境を変えたから改善する保証もありません。
どこで自分が動き出すかだとは思います。
「苦手だから」と言ってても
何も変わらないしね...
本の内容を
ジュニアからでした
書かれていることは、その通りだと思っています。
つまりは、進むべき道を示してくれているので、一人で悩んでいる人からすると大きなヒントを手にすることができます。
発達障害の全体を、広く知ることができる良い本だと思います。
何よりも読みやすく、面白い。
より深く知りたい方は、ASD、ADHDのそれぞれに重きを置いた専門本や、当事者の書いた本、悩みの内容によってはカサンドラ症候群(発達障害者のパートナーが陥りやすい症状)の本など様々なものが見受けられます。
そちらのほうと合わせて読むと理解が深まるかと思います。
世間に溶け込むのは
大変だよ...(涙)
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