著者:細川貂々(てんてん)先生
著者:水島広子先生
MINOの読書感想文です
その系の人(不安症の人)には有名な、マンガ家の細川貂々先生と、精神科医の水島広子先生の合同本です。
このお二人がよくぞ出会ってくれたという感じですが、シーリズ10万部を超える大ベストセラーなっているようです。
心理療法的なやり取りが、細川先生の独特なタッチでとても分かりやすく書かれています。
難しく、理屈っぽい話になりがちな内容が、ここまで読みやすくかみ砕かれているのはスゴイなと感じました。
「スッキリと」「要点を分かりやすく」「事例も含めて」というのが、当事者にとってはありがたいです。
落ち込んで頭が回らない時、すぐに助けがほしい時、簡単に何度でも読み返せるというのは貴重です。
理論的な本は、知識は詰まっていますが、読むのに力がいるし時間もかかります。
そういう理論的な本は元気な時期に、じっくりと読みたいですね。
また、水島先生のほうは対人関係療法と呼ばれる心理療法の第一人者です。
色んな本を出されていますが、先にこの本を読んでおくと理解が深まりやすくなるかと思います。
恐らくは、対人関係療法のベースとなる考え方(全ての悩みは対人関係のなかにある)がこの本には書かれていますので。
私の役にたったことは。。。
私がこの本のなかから取り入れたこととしては
・自分の気持ちを伝えること
嬉しいこと、嫌なことがあっても、反応しないようにしていました。
嬉しいことがあれば「運が良かっただけ」「こんなの大したことない」と自分に言い聞かせ、嫌なことは気付かないふりをしてやり過ごすという形でした。
また、相手に言いたいことや、やってほしいことがあっても、我慢すると。
我慢しきれないと、抑えきれず態度に出てしまい、相手との関係が悪くなるというパターンです。
(不満を態度で表すのは、人間関係を悪くするコミュニケーション方法と言われています。他の本ですが、「間接的攻撃反応」という最悪なコミュニケーションの一つとして書かれていました。)
つまりは我慢した結果、相手も自分もストレスがかかるという状態です。
どっちにとってもメリットなしですね。
でも、そんなに我慢してしまうのは、「私はそんなことで心を動かされないよ」という自己防衛やプライドだと思っています。
人に意見や感情をぶつけると、嫌われるんじゃないかという思い込みですね。
今は、喜怒哀楽の気持ちを頑張って口に出すようにしています。
やってみると、不思議と受け入れてくれる人が多いということ、自分が楽になることが多いということが分かりました。
・嫌われてもいいと思うこと
八方美人で、誰にでも役に立ちたいと考え手を貸すと、都合よく利用されるという経験を繰り返していました。
人を嫌いと思うことができなかったんですね。
自分が尽くせば相手も変わってくれると疑いなく思っていて、相手が冷たいのは私の努力が足りないからだと思っていました。
ますます、自分がしんどくなる考え方ですね。
今は主体性をもって、自分自身が人を選ぶことを意識しています。
「この人は好きだな」「この人の役に立ちたい」「この人とは合わないから、ほどほどに付き合おう」というように、ある程度、取捨選択はできるようになっていると思います。
そうすると、かなり楽になったし、狭い人間関係ながら充実するようになりました。
自分を理解するって大事ね。。。
さて。。。
この本のなかで
「ありのままでいれば、自分のタイミングで変わっていける(本より抜粋)」
という台詞がありますが、私の今の段階で感じることとしては
「自分の気持ちを見つめて口にすれば、気付いた時には変わっている」
ということ。
それは、いつからかというのは分かりません。
ふと、自分だけではなく、周りも変わっているように感じられます。
もしかしたら、私の世界を見る目のほうが変わったのかもしれません。
それだけ、思い込みに縛られていたのかなと思います。
「それでいい」というのは、まずは自分を受け入れるということなのでしょう。
少し話がそれますが、他の心理療法でも同じような考え方をしているものがありますね。
森田療法では「あるがまま」というのがキーワードになっていますし。
自分を見つめて受け入れないことには、周りに流されるがままです。
そんなこと言っても、自分自身が分からないという声もあると思います。
私もそうでしたし。
そんな方は、心の違和感に気付くというところからスタートすると良いかと思います。
最初は、それが難しいのですが、はじめの一歩ですね。
そして、その違和感の感情を考えてみましょう。
最後に。。。
どんな本でもそうですが、読んだからいきなり変わるということはありません。
(変わったような気分になる本はありますが…)
折に触れて読んでいくうちに新しい気付きが生まれます。
パラパラと短時間でも読める本なので、ぜひ試してみてください。
「やっぱり、それでいい」という続刊も出ていますが、内容は「アティテューディナル・ヒーリング」といって今刊とは違う内容になっています。
これはこれで面白いですけれども。
今刊は「対人関係療法」をベースにした本なので、水島先生のその系の本(多数出ています)を読むと理解が深まります。
興味が出た方は、ぜひお試しください。
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